SSブログ

アマルコルド [映画]

綿毛、霧、雪、夜

それらのヴェールに包まれた光景の中で、まるでおぼろげな夢の中の世界の出来事のように、あたたかく、切なさを湛えた少年期の回想が繰り広げられる。

フェリーニの映画は玩具箱的な趣を感じさせてくれることが多いけれど、「アマルコルド」はそこに繊細でノスタルジックな空気が加わる、やさしい肌触りの映画だった。もちろんフェリーニらしいえぐみは残しつつ。

少年が霧の中で角の生えた牛に出会う風景、その直前の老人が霧に包まれて穏やかに死を思う描写、そして巨大客船レックス号が現れるシーンの光と闇のコントラスト、雪の中に舞い降りるクジャクが特に印象的。

心情的には、少年たちが憧れていたセクシーなグラディスカが最後に幸せな結婚をしたことがとても嬉しかった。

タグ:映画
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。